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単なる脂肪肝と思っていたら? [病気]

肝機能検査の数値に異常がない場合でも、肝炎ウィルスに感染している場合があります。感染を知らずにいると、パートナーにうつしてしまう危険性もあります 。ウィルス性の肝臓の病気に知識がない人が多いのも病気が増える一因となっているのです。

一生に一度は、肝炎ウイルス検査を受けましょう。

健康診断や人間ドックの結果で肝臓に関連する数値、AST、ALT、ALP、γGTPが高い値だった場合、どのようにしていますでしょうか?

お酒を飲む方の場合は「お酒のせいで高いのだろう」、太っている方の場合は「きっと脂肪肝のせいだろう」と思い込んでしまってはいませんか?
ちなみに脂肪肝はこちら

「B型肝炎」や「C型肝炎」という言葉をよく聞くようになりましたが自分には無関係だと思っている人がほとんどでしょう。

日本におけるB型肝炎ウイルス感染者数は約110~140万人、C型肝炎ウイルス感染者数は約190~230万人です。
肝機能の数値が少しでも高ければ、一度は肝炎ウイルス検査を受けましょう。実は、肝機能検査で異常がない場合でも、肝炎ウイルスに感染している場合がありますので、一生に一度は肝炎ウイルス検査を受けることをお勧めします。

両親のどちらかがB型肝炎ウイルスに感染しているせいで感染した方は、肝機能が正常なことも多いのですが、B 型肝炎ウイルスに感染していることを知らずにいると、パートナーにうつしてしまう可能性があります。大人になってからB 型肝炎ウイルスに感染したパートナーは、急性肝炎、更には劇症肝炎になってお亡くなりになったりすることもあります。

自分が感染していることがわかった場合は、ご結婚前にパートナーにワクチン接種を受けてもらうことをお勧めしています。

肝炎ウイルスにより6ヶ月以上肝機能異常が持続する病気を「慢性肝炎」といいます。「B型慢性肝炎」や「C型慢性肝炎」を放置していると、肝硬変になるだけでなく、高い確率で肝細胞痛になります。現在は良い治療法が開発されていますので、早めに検査を受けて、なるべく早く治療を開始しましょう。

それでは、B型肝炎でもなくC型肝炎でもないとわかったときは、安心してもいいのでしょうか? 実は慢性肝炎を引き起こす病気として、「自己免疫性肝炎」「原発性胆汁性肝硬変」「ヘモクロマトーシス」「ウィルソン病」という病気があります。
ウィルス性肝炎と比較すると患者数が非常に少ないですし、特別な血液検査が必要なので、きちんと肝臓内科専門外来を受診しないと見逃されてしまいがちです。これらも早期発見・早期治療を開始することが重要です。

これらの病気でなければ、ほぼ「アルコール性肝障害」か「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLED)」といわれるものです。アルコール性肝障害では脂肪肝や、肝硬変になったりしますし、肝細胞痛も生じます。常習的なアルコール飲酒歴がないのに脂肪肝になっている状態をNAFLED (ナフルド)といいます。

その中で、肝硬変に進む可能性があるものをNAS H (ナッシュ)、それ以外のものを非アルコール性脂肪肝といいます。NAFLED、NASHの患者数は、日本でそれぞれ約1000万人、約200万人です。

NASHか非アルコール性脂肪肝かの区別は、原則的には肝生検(肝臓の組織の一部を取って顕微鏡で調べる検査) が必要ですが、血液検査でおおよその予測はできます。しかし結局、いずれの肝障害であっても、肥満や糖尿病、脂質異常症などが合併していることが多いのです。

つまり、長く元気でいたければ脂肪肝ではないほうがよいのです。脂肪肝を治すためにはアルコールは飲まないのが望ましいですし、有酸素運動が効果的です。最近、NASHの治療にはビタミンEが有効だと言われるようになりましたが、最も、効果的なのはやはり減量です。
2週間の禁酒が脂肪値を半分にのとおりです。

体重の7%減量すれば効果が出るといわれていますが、1~2kgの減量でも肝機能が改善した方もいますので、頑張って脂肪肝を治しましょう。

最近では漢方薬や健康食品(サプリメント) による肝障害が増えていまので、そういうものになるべく頼らずに減量しましょう。もし漢方薬や健康食品で体調が悪くなったときは、病院での検査をおすすめします。


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